腎性貧血

・貧血に加えて腎機能障害(eGFR<60)がある場合に疑う

・治療は赤血球造血刺激因子製剤(ESA:ダルベポエチンなど)を使用する。鉄欠乏性貧血がある場合は先に鉄の補充治療を行う

・鉄欠乏の有無はMCVとFe、TIBC及びフェリチンから評価する。

・トランスフェリン飽和度(TSAT)=Fe/TIBC×100(%)で、通常20%以上

・フェリチン(貯蔵鉄を反映)通常100ng/ml以上

・TSAT↓、フェリチン↓の場合は鉄の絶対的な欠乏があり鉄の補充(鉄剤内服かフェジン静注)が必要である。

・TSAT↓、フェリチンは十分量ある場合は慢性炎症などによる鉄利用障害が考えられる。

血液透析患者では、Hb値10~12 g/dlを目標にする。高すぎても心血管イベントのリスクが高まるという報告がある。

 ・2019年頃より使用され始めた新薬のHIF-PH阻害薬は、エリスロポエチン産生を増加させるHIF:低酸素誘導因子が、PH:プロリル水酸化酵素により分解されるのを阻害する。HIF-PH阻害薬の一つのエベレンゾの薬剤名は世界最高峰のエベレストから連想されたらしい。副作用として血栓傾向、悪性腫瘍、網膜出血がある。